相続

【司法書士が徹底解説】法定相続人の範囲と順位を初心者にもわかりやすく説明します

相続手続きをするうえで最も重要なステップの一つが、「誰が相続人になるのか」の確認です。
被相続人の財産を誰が、どのような割合で引き継ぐのかは、法律により明確に定められています。

このブログ記事では、司法書士の視点から、相続が初めての方にもわかりやすく、「法定相続人の範囲と順位」について詳しく解説いたします。
これから相続手続きを始める方や、相続に関して疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。


相続とは?まずは基本を司法書士が解説

相続とは、人が亡くなったときに、その人の財産や権利義務を親族などが引き継ぐ法律上の制度です。
財産とは、不動産や預貯金、有価証券といった「プラスの財産」だけでなく、借金やローンといった「マイナスの財産」も含まれます。

司法書士に相続登記をご依頼いただく際には、「相続人が誰なのか」「相続の割合はどのくらいか」といった基本情報の把握が不可欠です。


法定相続人とは?|司法書士が法的な位置づけを説明

法定相続人とは、民法により「被相続人の財産を引き継ぐ権利を持つ」と定められた人を指します。
遺言書がない場合や、遺言書の内容が一部無効だった場合には、この法定相続人が中心となって遺産分割を行うことになります。

司法書士が関わるケースでは、「遺言がないから、法定相続人を確定したい」「相続人の数が多くて誰が対象か分からない」といったご相談が多数を占めています。


法定相続人の範囲とは?|誰が相続人になるのか

法定相続人には、「配偶者」と「血縁のある親族」が含まれます。
ただし、それぞれの関係によって相続の順位や取り分が異なります。

1. 配偶者は常に相続人

被相続人の配偶者(法律上の夫または妻)は、常に相続人になります。
内縁関係や同棲、事実婚では相続権が発生しないため注意が必要です。司法書士としては、戸籍の調査によって「正式な婚姻関係にあったか」を確認します。

2. 血縁者は順位によって相続権が決まる

配偶者以外の血縁者は、以下の順番で法定相続人となります。


法定相続人の順位|司法書士が図解なしでもわかるよう解説

法定相続人には1位〜3位までの順位があり、上位の相続人がいる場合は下位の相続人に相続権は発生しません。
このルールを理解することは、正確な手続きの第一歩です。

第1順位:子ども(直系卑属)

被相続人の子ども(実子、養子を含む)が最優先されます。

  • 子どもが複数いる場合は、法定相続分は均等となります。
  • 子どもが亡くなっている場合、その子(=孫)が代襲相続人となります。

司法書士の業務では、非嫡出子や認知された子どもの有無を確認することが重要です。
近年では、DNA鑑定の結果に基づく相続も話題になっており、戸籍だけでは判断できないこともあります。

第2順位:直系尊属(親・祖父母)

子どもがいない場合、父母や祖父母などの直系尊属が相続人になります。

  • 少なくとも、両親のどちらかが健在であればその方が相続します。
  • 親がすでに他界している場合は、祖父母へと相続権が移ります。

第3順位:兄弟姉妹

子どもも親族(直系尊属)もいない場合、兄弟姉妹が法定相続人となります。

  • 兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子(甥・姪)が代襲相続人となります。
  • ただし、兄弟姉妹の代襲相続は「1代限り」と定められています。

相続分の割合はどう決まる?|司法書士が法定相続分を説明

相続人の組み合わせによって、相続分の割合(法定相続分)は以下のように異なります。

配偶者と子どもが相続人の場合

  • 配偶者:1/2
  • 子ども:1/2(複数人いれば等分)

配偶者と直系尊属(父母・祖父母)

  • 配偶者:2/3
  • 直系尊属:1/3

配偶者と兄弟姉妹

  • 配偶者:3/4
  • 兄弟姉妹:1/4

司法書士が作成する遺産分割協議書では、これらの割合を踏まえて、相続人間の合意内容を文書にまとめます。


司法書士が行う「法定相続人調査」の重要性

相続手続きの中で最も専門的で重要な作業の一つが、「戸籍調査による法定相続人の確定」です。

戸籍の収集と読み取り

司法書士は、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取り寄せ、内容を精査します。
この作業では以下のようなことが分かります。

  • 養子縁組の有無
  • 離婚・再婚歴
  • 認知された子の存在

これらを見落としてしまうと、後々の相続トラブルの原因になります。
司法書士の専門知識と経験によって、正確かつ確実な相続手続きが実現されます。


よくあるトラブルと司法書士のアドバイス

相続人の一部が行方不明

司法書士は「不在者財産管理人選任申立て」などの手続きをサポートできます。

相続人が認知症・未成年

成年後見制度や特別代理人の申立ても、司法書士がサポート可能です。

家族間の意見がまとまらない

遺産分割協議が不調に終わった場合は、調停や審判といった家庭裁判所での手続きが必要になります。
このような場合も、司法書士が法的な書類作成や手続きのアドバイスを行うことができます。


まとめ|法定相続人の理解が相続手続きの第一歩

相続における第一歩は、「誰が法定相続人なのかを正しく把握すること」です。
相続人の範囲と順位を誤ると、手続きそのものが無効になったり、相続トラブルに発展するおそれがあります。

司法書士は、相続人調査から遺産分割協議書の作成、相続登記まで、法律と実務の両面からサポートを行っています。


相続に関するご相談は司法書士へ|無料相談受付中

当事務所では、初回無料相談を実施しております。
相続に関するお悩みや疑問がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

  • 法定相続人の調査が必要な方
  • 相続登記を進めたい方
  • 相続人間での話し合いに不安がある方

司法書士が丁寧にサポートいたします。

<執筆者>
司法書士 齊藤 尚行
事務所:埼玉県さいたま市岩槻区東町二丁目8番2号KUハイツ1階