相続

相続でもめる原因ランキング|司法書士が解説する相続トラブルを防ぐためのポイント

相続は、家族の財産を次の世代へ引き継ぐ大切な手続きです。しかし、相続をきっかけに、それまで良好だった家族関係が悪化してしまうケースも少なくありません。

「相続でもめる原因は何なのか」
「なぜ相続トラブルが発生するのか」
「自分の家族は大丈夫なのか」

このような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

相続トラブルの多くは、相続財産の金額だけが原因ではありません。相続人同士の認識の違いや、生前の準備不足が原因となって発生することが多くあります。

今回は、司法書士の視点から「相続でもめる原因ランキング」を紹介し、相続トラブルを防ぐためにできる対策について解説します。

相続でもめる原因ランキング第1位|遺産の分け方で意見が合わない

相続でもっとも多いトラブル原因は、遺産分割に関する相続人同士の意見の対立です。

被相続人が亡くなった後、相続人全員で遺産をどのように分けるか話し合う必要があります。この話し合いを「遺産分割協議」といいます。

しかし、相続人それぞれが異なる考えを持っているため、簡単にはまとまらないことがあります。

「長男だから多くもらえる」は相続では通用しない

相続では、昔ながらの「長男が家を継ぐ」「長く面倒を見た人が多く取得する」という考え方が、そのまま法律上認められるわけではありません。

法定相続分という法律上の基準はありますが、実際の相続では家庭ごとの事情も関係します。

「親の介護をしたから多く取得したい」
「同居していたから貢献を認めてほしい」
「兄弟で公平に分けたい」

このような主張がぶつかることで、相続争いへ発展することがあります。

相続でもめる原因ランキング第2位|不動産をどう分けるか決まらない

相続財産の中でも、特に問題になりやすいのが不動産です。

預貯金であれば金額を分けることができますが、土地や建物は簡単に分割することができません。

例えば、実家の土地と建物を相続した場合、

「長男が実家を取得する」
「売却して現金化する」
「共有名義にする」

など、複数の選択肢があります。

不動産の共有相続は将来的な相続トラブルにつながる

不動産を複数の相続人で共有すると、後々問題になる可能性があります。

共有状態の不動産を売却する場合、共有者全員の同意が必要になります。また、相続人の世代が変わると権利関係が複雑になり、さらに相続手続きが難しくなることがあります。

不動産がある家庭では、生前から相続対策を検討することが重要です。

相続でもめる原因ランキング第3位|遺言書がない

相続トラブルを防ぐ方法として有効なのが、遺言書の作成です。

遺言書がない場合、相続人全員による話し合いで遺産の分け方を決める必要があります。

しかし、相続人同士の関係性や過去の出来事によって、話し合いが難航することがあります。

遺言書は家族への最後のメッセージになる

遺言書は単に財産の分け方を指定するだけのものではありません。

「なぜこのような分け方にしたのか」
「家族に何を伝えたいのか」

という思いを残すこともできます。

特に、

・相続人以外に財産を渡したい場合
・特定の相続人に不動産を取得させたい場合
・家族関係が複雑な場合

には、遺言書の作成を検討する価値があります。

相続でもめる原因ランキング第4位|生前贈与や財産管理の認識違い

相続では、亡くなる前のお金の動きが問題になることもあります。

例えば、

「兄だけ生前に多額のお金をもらっていた」
「親の預金を誰かが管理していた」
「財産の内容を誰も把握していない」

といったケースです。

相続財産を明確にしておくことが重要

相続開始後に財産調査をすると、家族が知らなかった預貯金や不動産が見つかることがあります。

また、財産の内容が不明確な状態では、相続人の不信感につながりやすくなります。

生前から財産目録を作成するなど、相続に備えた準備をしておくことが大切です。

相続でもめる原因ランキング第5位|相続人同士の感情的な対立

相続問題は、単なる財産分配の問題ではありません。

家族間には、長年積み重なった感情があります。

「昔から兄ばかり優遇されていた」
「親の面倒を自分だけが見ていた」
「自分の苦労を理解してもらえない」

こうした感情が、相続手続きの場面で表面化することがあります。

相続では冷静な話し合いと専門家への相談が大切

相続人同士だけで話し合いを続けると、感情的になり解決が難しくなる場合があります。

そのような場合には、司法書士など相続手続きの専門家へ相談することで、法律上の整理や必要な手続きを進めやすくなります。

相続トラブルを防ぐために司法書士へ相談するメリット

相続は、誰にでも起こる身近な問題です。しかし、相続手続きには戸籍収集、相続人調査、遺産分割協議書の作成、不動産の相続登記など、多くの専門的な手続きがあります。

司法書士は、相続に関する書類作成や不動産の相続登記など、相続手続きを幅広くサポートできます。

特に、

・相続人が多い
・不動産がある
・家族関係が複雑
・相続でもめる可能性がある

という場合には、早めに専門家へ相談することが相続トラブルの予防につながります。

まとめ|相続でもめる原因は事前準備で減らすことができる

相続でもめる原因の多くは、財産の大小だけではなく、事前の準備不足や相続人同士の認識の違いによって発生します。

今回紹介した相続でもめる原因ランキングを参考にすると、

・遺産分割の話し合い
・不動産の相続
・遺言書の有無
・財産管理の問題
・家族間の感情的な対立

が主な相続トラブルの原因となっています。

相続は、残された家族が安心して未来へ進むための大切な手続きです。

「まだ元気だから大丈夫」と考えず、早い段階から相続について考えることが、家族を守る最も有効な相続対策になります。

相続について不安や疑問がある場合は、司法書士へ相談し、円満な相続を実現するための準備を進めておきましょう。

<執筆者>
司法書士 齊藤 尚行
事務所:埼玉県さいたま市岩槻区東町二丁目8番2号