相続登記は、故人の不動産を正式に相続人名義に変える手続きです。
一見、書類を揃えて申請すれば終わるように思われがちですが、実際には「相続人同士の揉めごと」が原因で手続きが長引くケースが非常に多いです。
今回は、相続登記でよく起きる揉めごとをランキング形式でご紹介します。
相続登記をスムーズに進めるためのポイントも併せて解説しますので、ぜひご参考ください。
【第1位】遺産分割協議がまとまらない(分割方法で揉める)
相続登記で最も多い揉めごとは、やはり遺産分割協議がまとまらないことです。
相続登記は、誰がどの不動産を相続するのかを決める必要があります。
しかし、相続人が複数いる場合、意見が食い違うことが多く、話し合いが長引いてしまいます。
なぜ遺産分割協議で揉めるのか?
- 不動産の評価が難しい
土地や建物の評価額は、相続人の間で「高い・低い」の認識が違うことがあります。 - 誰が相続するべきかの感情的な問題
長年同居していた人が優遇されるべき、など感情が絡むことがあります。 - 現金・預貯金の分割と不動産の分割が一致しない
現金は均等に分けられるが、不動産は分割が難しいため揉めやすいです。
解決のポイント
遺産分割協議がまとまらない場合は、司法書士などの専門家にアドバイスを受けることで話し合いが進みやすくなります。
また、相続登記を急ぐ場合は、共有名義にして一旦登記を済ませ、後から分割する方法もあります。
【第2位】相続人の範囲(誰が相続人か)で揉める
相続登記では、まず相続人の確定が必要です。
しかし、相続人が誰かで揉めることがよくあります。
どんなケースが多い?
- 隠し子の存在が発覚する
- 養子縁組があったかどうかで争いになる
- 再婚や離婚の経緯で相続人が複雑になる
相続人の確定ができないと、相続登記は進められません。
そのため、戸籍を遡って調査する必要があります。
解決のポイント
相続人の確定が難しい場合は、専門家に戸籍収集を依頼するのが一番確実です。
相続登記のプロである司法書士なら、必要な戸籍を揃えて正確に相続人を確定できます。
【第3位】遺言書の内容に不満がある
遺言書がある場合でも、相続登記で揉める原因になります。
遺言書の内容が相続人の期待と異なると、感情的な対立が生じやすいです。
遺言書で揉める代表的な例
- 不動産を特定の相続人に全部渡す内容
- 遺言書の形式や有効性を疑う
- 遺言執行者の指定に不満がある
解決のポイント
遺言書がある場合は、まず遺言書の有効性の確認が必要です。
形式が整っていない場合、相続登記ができないケースもあります。
専門家に相談して、適切な手続きを進めましょう。
【第4位】相続財産の価値(評価額)で揉める
相続登記では、不動産の評価額が問題になることがあります。
評価額が相続分の計算に直結するため、相続人同士で意見が分かれやすいのです。
具体的な揉める理由
- 路線価や固定資産税評価額で揉める
- 売却価値と評価額が違う
- 相続税の計算と相続登記の評価が一致しない
解決のポイント
評価額は専門家(不動産鑑定士や税理士)に依頼して、公的な評価資料を基に話し合うと揉めにくくなります。
【第5位】相続人の連絡が取れない(行方不明)
相続登記で意外に多いのが、相続人の連絡が取れないケースです。
遠方に住んでいる、疎遠になっている、行方不明など、さまざまな理由があります。
解決のポイント
行方不明の相続人がいる場合は、失踪宣告や不在者財産管理人の選任などの手続きが必要になることがあります。
こうした手続きは専門性が高いため、司法書士や弁護士に相談するのが安全です。
【第6位】不動産の共有名義にしたくない
相続登記を行う際、共有名義にするかどうかで揉めることがあります。
共有名義は、後々の売却や管理が難しくなるため、避けたいと考える相続人が多いです。
共有名義のデメリット
- 売却や処分が全員の同意が必要
- 固定資産税の負担が増える場合がある
- 管理や修繕で揉める
解決のポイント
共有名義にする場合は、将来の取り決めを事前に決めておくことが大切です。
また、相続登記後に共有持分の売買や分割を検討することもできます。
【第7位】借金や債務の処理で揉める
相続登記は不動産の名義変更ですが、相続財産には借金も含まれます。
借金の扱いをどうするかで揉めることがあります。
典型的な揉め方
- 借金を相続したくない
- 借金の有無で争いになる
- 相続放棄をするかどうかで対立
解決のポイント
借金がある場合は、相続放棄や限定承認などの手続きを検討する必要があります。
相続登記を急ぐ前に、財産と債務の全体像を整理しましょう。
【第8位】名義人が複数回の相続で複雑化している
相続登記が遅れている不動産は、複数回の相続が重なっていることがあります。
この場合、相続人が増え、関係性も複雑になり、揉めやすくなります。
どんなケースがある?
- 祖父→父→子へと相続が繰り返された
- 相続人が多すぎて調整が難しい
- 相続人の間に相続人がいる(孫など)
解決のポイント
このような場合は、まず相続関係図を作成し、相続人を整理することが重要です。
専門家が作成すると正確でスムーズです。
【第9位】相続登記の費用負担で揉める
相続登記には、登録免許税や司法書士報酬などの費用がかかります。
費用負担の分配で揉めることもあります。
争いの例
- 誰が費用を出すべきか
- 費用が高いと感じる
- 相続人の中で経済的に余裕がない人がいる
解決のポイント
費用の負担は、相続分に応じて分配するのが一般的です。
ただし、相続人間で合意できない場合は、専門家を交えて話し合うと解決しやすいです。
【第10位】相続登記を後回しにした結果、手続きが難しくなる
相続登記は、早めに手続きを進めることが重要です。
時間が経つと、相続人の状況が変わり、手続きが複雑化します。
後回しにすることで起きる問題
- 相続人が亡くなる
- 相続人が認知症になる
- 相続人が遠方に移住する
- 相続人同士の関係が悪化する
解決のポイント
相続登記は早めに着手するのが一番の対策です。
当事務所では、相続登記の相談から手続き完了まで一括でサポートしています。
相続登記で揉めないための3つの対策
最後に、相続登記で揉めないための対策をまとめます。
① 早めに遺産分割協議を行う
相続登記は遅れるほど揉めやすくなります。
まずは早めに話し合いを始めましょう。
② 専門家を入れて話し合いを整理する
司法書士や弁護士を交えることで、話し合いが進みやすくなります。
相続登記の手続きも同時に進められます。
③ 遺言書の作成を検討する
遺言書があれば、相続登記の際の揉めごとを大幅に減らせます。
遺言書の作成も、当事務所でサポート可能です。
まとめ:相続登記は「揉める前」に動くのが一番
相続登記は、単なる名義変更ではなく、相続人間の関係性が深く影響する手続きです。
今回紹介したランキングは、実際に多くの相続登記で見られる揉めごとです。
当事務所では、相続登記に関するご相談を随時受け付けています。
「相続登記で揉めたくない」「早く手続きを進めたい」という方は、お気軽にご相談ください。
<執筆者>
司法書士 齊藤 尚行
事務所:埼玉県さいたま市岩槻区東町二丁目8番2号KUハイツ1階