相続

相続手続きを自分でやる場合の限界とは?司法書士が教える失敗しやすいポイントと賢い選択

相続が発生すると、多くの方が「相続手続きは自分でできるのではないか」と考えます。インターネット上には相続手続きの情報があふれており、書類の書き方も簡単に調べられる時代です。しかし、実際に相続手続きを進めてみると、「思った以上に大変」「途中で行き詰まった」という声が少なくありません。

本記事では、相続手続きを自分でやる場合の限界について、司法書士の実務視点から詳しく解説します。どこまでなら自分でできるのか、どの時点で司法書士に依頼すべきなのかを知ることで、相続をスムーズに進める判断材料にしていただければと思います。


相続手続きを自分で進めようと考える理由

費用を抑えたいという相続の本音

相続手続きを自分でやろうとする理由として最も多いのが、「司法書士に依頼すると費用がかかるのではないか」という不安です。相続は突然発生することが多く、想定外の出費を避けたいと考えるのは自然なことです。

しかし、相続手続きを自分で進めることで、時間的・精神的な負担が増え、結果的に大きなロスになるケースもあります。司法書士は相続手続きの専門家であり、その役割を正しく理解することが大切です。

インターネット情報による相続手続きの誤解

現在は相続に関する情報が簡単に手に入ります。そのため、「手順通りにやれば相続は自分でできる」と思われがちです。ただし、相続は一人ひとり状況が異なり、ネット情報をそのまま当てはめられないケースが多く存在します。

司法書士が関与する相続では、個別事情を踏まえた判断が重要になります。


自分でできる相続手続きの範囲

戸籍収集や相続関係説明図の作成

相続人が少なく、家族関係が単純な場合には、戸籍の収集や相続関係説明図の作成を自分で行うことも可能です。ただし、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて揃える必要があり、これだけでも相当な労力がかかります。

司法書士に依頼すれば、戸籍収集から相続人確定までを一括して任せることができます。

預貯金の解約など比較的単純な相続

金融機関ごとの相続手続きに対応し、必要書類を揃えることができれば、預貯金の相続は自分で進めることも可能です。しかし、複数の金融機関がある場合、それぞれで異なる書式に対応しなければならず、想像以上に時間がかかります。

この段階で司法書士に相談する方も少なくありません。


相続手続きを自分でやる限界が見える場面

相続人が多い・関係が複雑な相続

相続人が複数いる場合や、前婚の子、代襲相続人がいる相続では、自分で対応するのは非常に困難です。相続人全員の同意が必要な相続手続きでは、書類の不備が一つあるだけで手続きが止まってしまいます。

司法書士は相続人調査と法的整理を専門的に行うことができます。

相続登記が必要な不動産の相続

不動産の相続登記は、相続手続きの中でも特に専門性が高い分野です。登記申請書の作成や添付書類の判断を誤ると、法務局から補正を求められ、何度も足を運ぶことになります。

司法書士は登記の専門家であり、相続登記を本業としています。自分で相続登記を行う場合、ここが大きな限界となることが多いです。

遺産分割協議がまとまらない相続

相続人同士で意見が対立している場合、相続手続きを自分で進めることはほぼ不可能です。感情的な対立がある相続では、第三者である司法書士が関与することで、冷静に話を進められるケースがあります。

司法書士は法的観点から相続を整理し、適切な書類作成を行います。


司法書士に相続を依頼するメリット

相続手続きの一括サポート

司法書士に依頼することで、相続人調査、相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の作成、相続登記までを一括で進めることができます。相続の窓口を一本化できる点は大きなメリットです。

相続登記義務化への確実な対応

相続登記は義務化されており、期限内に手続きを行わなければ過料の対象となる可能性があります。司法書士に依頼すれば、法改正に対応した正確な相続登記が可能です。

自分で相続手続きを進めるリスクを考えると、司法書士の存在は非常に心強いものです。


相続手続きを自分でやるか、司法書士に任せるかの判断基準

早めに司法書士へ相談する重要性

「途中まで自分でやってみて、無理なら司法書士に相談する」という選択もありますが、書類不備や手戻りが発生すると、かえって時間と費用がかかることがあります。

最初から司法書士に相談することで、自分でできる部分と依頼すべき部分を明確に分けることも可能です。


まとめ|相続手続きの限界を知ることが円満な相続への第一歩

相続手続きを自分でやること自体は可能ですが、すべての相続に対応できるわけではありません。特に不動産の相続登記や相続人が複雑なケースでは、司法書士の専門性が不可欠です。

相続を円満に、そして確実に進めるためには、相続手続きの限界を理解し、適切なタイミングで司法書士に相談することが重要です。相続に関するお悩みがあれば、ぜひ当事務所の司法書士までお気軽にご相談ください。

<執筆者>
司法書士 齊藤 尚行
事務所:埼玉県さいたま市岩槻区東町二丁目8番2号KUハイツ1階