不動産の売買や相続、会社設立など、登記には必ず「お金」が関わってきます。しかし、実際にどんな費用が発生するのか、どんな時に節税ができるのか、正確に知っている方は多くありません。
今回は、現役の司法書士が「登記にまつわるお金の豆知識」を10個、わかりやすくご紹介します。これから登記を予定している方や、お金に関する不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
1. 登記費用の内訳を知ろう
登記費用は「登録免許税+司法書士報酬」
登記にかかる費用は大きく2つ。「登録免許税(国に納める税金)」と「司法書士報酬」です。登録免許税は登記の種類や不動産の評価額によって決まる一方、司法書士報酬は事務所ごとに異なります。
登録免許税の一例
- 不動産の所有権移転登記:固定資産税評価額 × 2%(売買の場合)
- 相続登記:固定資産税評価額 × 0.4%
2. 相続登記の義務化で損しないために
相続登記の放置で過料のリスク
2024年4月から、相続登記は義務化され、3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。費用を惜しんで放置してしまうと、逆に損をしてしまうことも。
早めの相談でコストも抑えられる
相続関係が複雑になる前、早めに司法書士へ相談することで、調整費用や調査費用を最小限に抑えられます。
3. 登記をまとめて依頼すると費用を節約できる?
複数の登記を同時に行うと効率的
たとえば、不動産売買と同時に住宅ローンの抵当権設定登記も行うケース。このように登記をまとめて依頼することで、交通費や書類作成費用などの諸費用が節約できる場合があります。
4. 自分で登記するのと司法書士に依頼する違い
自分で登記するのは本当に安上がり?
確かに、司法書士報酬がかからない分、自分で登記するほうが一見安く見えます。しかし、ミスによる二度手間や税務上の不備、書類の不備で再提出になると、結果的に高くつくことも。
5. 固定資産税評価額の調べ方
登録免許税を左右する「評価証明書」
不動産の固定資産税評価額は「評価証明書」で確認できます。これは市町村役場で取得可能で、登記時の課税根拠となる重要な書類です。
毎年変動するので要注意
評価額は毎年変動するため、過去の数字で計算すると誤りになります。最新の情報をもとに見積もりを立てましょう。
6. 抵当権抹消登記の費用は意外と安い?
登録免許税は一律1,000円!
住宅ローンを完済すると必要になる抵当権抹消登記。その登録免許税は「不動産1件につき1,000円」と非常に安価です。
ただし、複数の不動産に抵当権が設定されている場合は件数分の税金が必要です。
7. 贈与登記は高くつく?節税対策は?
贈与は「相続税対策」になるが要注意
生前贈与による不動産登記は相続税対策として活用されることが多いですが、贈与税が高額になる場合もあるため注意が必要です。
司法書士だけでなく、税理士との連携もおすすめです。
8. 商業登記でもお金はかかる!
会社設立にも登録免許税が必要
法人登記(会社設立)には、たとえば株式会社の場合、「資本金の0.7%(最低15万円)」の登録免許税が必要です。これに加えて、定款認証費用や司法書士報酬も発生します。
9. 登記のタイミングによって節税できる?
固定資産税の日割り精算に注意
不動産売買の際、登記をするタイミングで固定資産税の負担割合が変わります。1月1日現在の所有者に課税されるため、年末の登記は売主・買主間で精算交渉が重要です。
10. 要件を満たすと贈与税が一定額非課税になる
「住宅取得資金の贈与特例」
マイホームの新築・取得や増改築等のための資金を父母や祖父母など直系尊属から贈与されたとき、最高で1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。通常、年間で110万円を超える贈与を受けると贈与税が課税されますが、住宅取得等資金の贈与の特例を利用すれば、110万円を超える贈与を非課税で受けることも可能となります。
適用期限が令和8年12月31日まで延長
住宅取得等資金の贈与の特例の適用期限は、令和5年12月31日までの予定でしたが、令和6年度税制改正より令和8年12月31日まで3年間延長されました。
最新の制度は国税庁の情報を確認しましょう。
まとめ|登記とお金は司法書士に早めの相談がカギ
登記にかかる費用は、手続きの種類やタイミングによって大きく変動します。知らずに損をするケースも少なくありません。逆に、事前にしっかり準備することで費用を抑えられる可能性も大いにあります。
「自分の場合はいくらくらいかかるのか」「この手続きは今やったほうが得か?」といった疑問があれば、まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 見積もりだけでも依頼できますか?
A. もちろん可能です。無料相談・見積もり対応をしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
Q. 他の士業と連携してもらえますか?
A. 税理士・行政書士・弁護士との連携も可能です。
<執筆者>
司法書士 齊藤 尚行
事務所:埼玉県さいたま市岩槻区東町二丁目8番2号KUハイツ1階